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佐井花烏月(さいかうづき)
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一応漫画家?
趣味:
漫画を描く事
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佐井花烏月(さいかうづき)ともうします。
ここのブログでは
イラスト付童話や小説を制作していこうと思ってます。
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2014/01/01 (Wed)
葛葉姫鬼譚
京に吹く風
「頼光、頼光、みてみて!光栄様からのお手紙!」
「なんて書いてあるんだ?」
暖かな昼下がり。
いつものように高欄に腰をかけ、葛葉と頼光はいつものようにお喋りをしている。
「中将は罪を認めて、貴族からはずされたんだって、その事はもう噂になってるけど、光栄様が吐かせたことっていうのは、伝わってないんだよね~だけどね、光栄様からの文で陰陽師の術を使って脅したそうよ。陶然の報いよね!」
「ふーん…陰陽師って怒らせると恐いよな……」
頼光は光栄の懲らしめ方がなぜだか想像ができた。
「それと、もう一つ、宮姫からきたのよ。」
「宮姫って出家したんだよな? その後どうしてるんだ?」
「この文によると、姫は尼になって、正樹様を見られるように修行するんだって。それと、ありがとうって…」
「尼寺ってそんなことをするための修行場じゃないだろうに」
「ま、いいじゃない。好きな人を見るための努力は実を結ぶわよ」
「それにしても、今日は葛葉機嫌がいいな」
「そう?」
いつもは大人ぶって、渋々と遊ぶだけだが、今日は蹴鞠に、弓に、囲碁、いろんな遊び相手をしてくれる。
こういう日はとても良いことがあったりする時だ。
「うん、何か良いことあったのか?」
「わっかるー?」
ニコニコと満面の笑みを向け、幸せそうに両手を組みあわせる。
「だって、光栄様が明日かえってくるんだものーーーーきゃーーーー!」
嬉しさの余り葛葉は叫び声をたてる。
「げっ!きゃーじゃねぇよ!ぎゃーーーーーーー!だ!おれにとって!」
「なによ!頼光!一緒に喜びなさいよぉぉぉ!」
葛葉は頼光の両方の頬を無理矢理笑わせようとギュッ! と抓りあげる。
「お取り込み中悪いけどね。2人とも…」
高欄に座る二人の間から、晴明が顔を挟むように割り込んできた。
「なーに?父様、『光栄様お帰りなさい宴会』についての御相談?」
『光栄様お帰りなさい宴会』というのはたった今考えた宴会だ。
「う~んその宴会なんだけど」
晴明は娘の会話にあわせる。
だけど、表情が困った顔だ。
「『光栄様お帰りなさい宴会』を『お父様、葛葉ちゃん播磨にいってらっしゃい!』
の宴会になりそうなんだよね」
一瞬意味が飲み込めなかった…
「は?『お父様、葛葉ちゃん播磨にいってらっしゃい!』ってどういうことかしら?」
にこやかなまま固まっている葛葉に、同じ表情をした晴明は分かりやすく言う。
「保憲様の代わりに、私が播磨の任地につくことになったんだ。一人で播磨にいくのは寂しいから、葛葉ちゃんも一緒につれていこうかな?って思って…」
葛葉はみるみる怒り顔になる。
「父様寂しーよぉ~葛葉がいないと寂しくて夜も眠れないし光栄に何かされていない
とも限らないし」
「なにかされないように俺が守りますよ!父上さま!」
「なにかってなによ!まったく!」
葛葉は本気で怒る。
その葛葉を宥めるため晴明は頭を撫でる。
「ゼッッッッッタイ嫌!父様一人でいってきてよ!」
「ま、今の播磨へ赴任というのはそれは冗談だとしても」
「悪い冗談やめてよ!父様、心臓に悪い!」
晴明はハハハと少し笑い、優しげな瞳で葛葉を見つめる。
「都の悪い風より、播磨の澄んだ風を葛葉に知ってもらいたいのもあるのだけど…」
「…都の風が悪い風?」
「念風が吹き荒れる都より、播磨に連れていきたいんだ…本当は…」
晴明は娘のことを思っていっている。
葛葉もそれに気付いたが、にっこりと笑って答える。
「あのね、そう言う、念とか廻ってっている都を守るために陰陽師や祈祷師や、僧侶がいるのよね。
私、都でも清らかな風になるように祓える力をもってるんだから、自分なりに清らかにしていきたい…ダメかな?」
まだ、何て言ったらいいのか分からないけど、自分なりの言葉を父に言う。
「俺も!その手伝いするから、葛葉を播磨に連れていかないで下さい!」
頼光は冗談じゃなくて、真剣な表情で晴明に言う。
晴明は優しく微笑んだ。
何も言わずに葛葉と頼光の頭を撫でる。
「こういう良い子がいれば、都も健やかになるだろうね…」
健やかな、あたたかな風が、三人を吹き抜けていった。
それは、葛葉たちが浄化した風なのかもしれない…
念は決して消えないと言った。
けれど、いつかきっと…健やかな、清らかな風が吹くことだろう…
清らかな風を都にふかせることが葛葉のやることだと葛葉は思うのだった。
葛葉姫鬼譚念風鬼 終わり。
「なんて書いてあるんだ?」
暖かな昼下がり。
いつものように高欄に腰をかけ、葛葉と頼光はいつものようにお喋りをしている。
「中将は罪を認めて、貴族からはずされたんだって、その事はもう噂になってるけど、光栄様が吐かせたことっていうのは、伝わってないんだよね~だけどね、光栄様からの文で陰陽師の術を使って脅したそうよ。陶然の報いよね!」
「ふーん…陰陽師って怒らせると恐いよな……」
頼光は光栄の懲らしめ方がなぜだか想像ができた。
「それと、もう一つ、宮姫からきたのよ。」
「宮姫って出家したんだよな? その後どうしてるんだ?」
「この文によると、姫は尼になって、正樹様を見られるように修行するんだって。それと、ありがとうって…」
「尼寺ってそんなことをするための修行場じゃないだろうに」
「ま、いいじゃない。好きな人を見るための努力は実を結ぶわよ」
「それにしても、今日は葛葉機嫌がいいな」
「そう?」
いつもは大人ぶって、渋々と遊ぶだけだが、今日は蹴鞠に、弓に、囲碁、いろんな遊び相手をしてくれる。
こういう日はとても良いことがあったりする時だ。
「うん、何か良いことあったのか?」
「わっかるー?」
ニコニコと満面の笑みを向け、幸せそうに両手を組みあわせる。
「だって、光栄様が明日かえってくるんだものーーーーきゃーーーー!」
嬉しさの余り葛葉は叫び声をたてる。
「げっ!きゃーじゃねぇよ!ぎゃーーーーーーー!だ!おれにとって!」
「なによ!頼光!一緒に喜びなさいよぉぉぉ!」
葛葉は頼光の両方の頬を無理矢理笑わせようとギュッ! と抓りあげる。
「お取り込み中悪いけどね。2人とも…」
高欄に座る二人の間から、晴明が顔を挟むように割り込んできた。
「なーに?父様、『光栄様お帰りなさい宴会』についての御相談?」
『光栄様お帰りなさい宴会』というのはたった今考えた宴会だ。
「う~んその宴会なんだけど」
晴明は娘の会話にあわせる。
だけど、表情が困った顔だ。
「『光栄様お帰りなさい宴会』を『お父様、葛葉ちゃん播磨にいってらっしゃい!』
の宴会になりそうなんだよね」
一瞬意味が飲み込めなかった…
「は?『お父様、葛葉ちゃん播磨にいってらっしゃい!』ってどういうことかしら?」
にこやかなまま固まっている葛葉に、同じ表情をした晴明は分かりやすく言う。
「保憲様の代わりに、私が播磨の任地につくことになったんだ。一人で播磨にいくのは寂しいから、葛葉ちゃんも一緒につれていこうかな?って思って…」
葛葉はみるみる怒り顔になる。
「父様寂しーよぉ~葛葉がいないと寂しくて夜も眠れないし光栄に何かされていない
とも限らないし」
「なにかされないように俺が守りますよ!父上さま!」
「なにかってなによ!まったく!」
葛葉は本気で怒る。
その葛葉を宥めるため晴明は頭を撫でる。
「ゼッッッッッタイ嫌!父様一人でいってきてよ!」
「ま、今の播磨へ赴任というのはそれは冗談だとしても」
「悪い冗談やめてよ!父様、心臓に悪い!」
晴明はハハハと少し笑い、優しげな瞳で葛葉を見つめる。
「都の悪い風より、播磨の澄んだ風を葛葉に知ってもらいたいのもあるのだけど…」
「…都の風が悪い風?」
「念風が吹き荒れる都より、播磨に連れていきたいんだ…本当は…」
晴明は娘のことを思っていっている。
葛葉もそれに気付いたが、にっこりと笑って答える。
「あのね、そう言う、念とか廻ってっている都を守るために陰陽師や祈祷師や、僧侶がいるのよね。
私、都でも清らかな風になるように祓える力をもってるんだから、自分なりに清らかにしていきたい…ダメかな?」
まだ、何て言ったらいいのか分からないけど、自分なりの言葉を父に言う。
「俺も!その手伝いするから、葛葉を播磨に連れていかないで下さい!」
頼光は冗談じゃなくて、真剣な表情で晴明に言う。
晴明は優しく微笑んだ。
何も言わずに葛葉と頼光の頭を撫でる。
「こういう良い子がいれば、都も健やかになるだろうね…」
健やかな、あたたかな風が、三人を吹き抜けていった。
それは、葛葉たちが浄化した風なのかもしれない…
念は決して消えないと言った。
けれど、いつかきっと…健やかな、清らかな風が吹くことだろう…
清らかな風を都にふかせることが葛葉のやることだと葛葉は思うのだった。
葛葉姫鬼譚念風鬼 終わり。
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