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佐井花烏月(さいかうづき)
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一応漫画家?
趣味:
漫画を描く事
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佐井花烏月(さいかうづき)ともうします。
ここのブログでは
イラスト付童話や小説を制作していこうと思ってます。
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2014/01/01 (Wed)
葛葉姫鬼譚
光栄の中将退治
氷はバタリと倒れた。
目を閉じ祭壇に向かっていた光栄は瞼を上げ、ゆっくりと体を中将へと向ける。
光栄の表情はにこやかだったが、瞳が笑っていないどことなく恐い…
その表情にビクリと肩を震わした中将は横柄な態度を崩すまいとしたが、声が出てこない。
「京の鬼騒ぎの原因の一端は…中将様だったのですねぇ…」
とぼそりと呟く。
相手には何いってるのか分からない程の音程なので中将はいぶかしむ。
「藤原の大臣の息子で三十路過ぎで正樹どのを殺し位を昇級させた中将どの…を御存じですか?」
を業と光栄は今度は本人を目の前に尋ねる。
「う…む……?」
中将は表情をひきつらせた。
それは自分のことで、皆には他言無用にしてあり、あまつさえ、光栄は播磨に住ん
でおり噂のうの字もきこえないはずなのに…
光栄はただただにっこりと笑って、
「依頼は果たしました。
貴方様の悪行に恨みを抱き、都中を恐怖に陥れ貴方様の命を狙おうとした鬼は祓い終わりました」
とハッキリと今度は言ってやる。
自分の状況を理解するために一旦、間をおいた中将はキッと光栄を睨み立ち上がった。
「鬼を退治したのは、ほめて遣わすが、なんという無礼の数々!この私を誰だと思っているんだ!身分の低く位もない外法陰陽師めが!」
中将は光栄を見下し怒り狂って罵った。
都にいない、そして、位を持たない陰陽師は外法(げほう)とつけられ妖魔や呪術を自分の勝手にあやつり悪さをするという者、金銭を貰い呪を行う者のことをいうこともある。
しかし、京にいられなくなって播磨に来たこの中将とは状況が逆で光栄自身、京に帰れば宮廷の仕事が待っているし、賀茂家の陰陽師の御曹司でもあり位もそこそこ戴くことになる。
光栄は中将に、挑発するように視線に合わせ不適な笑みに変える。
「外法は認めますよ?僕が外法陰陽師なら、あなたは外道貴族というところでしょう?」
イヤミなど認めてしまえば効果はない。直接悪口をいう方がストレートに攻撃になる。
光栄は顎に手を当てて考えるようにわざとらしく
「外法陰陽師は褒美があって依頼を果たす者なんですよね…」
と言う。
そんな光栄のわざとらしい態度に中将は腹を立て
「だれがお前のような者に褒美なぞやるか!」
手にしていた扇を光栄の額目掛けて投げ付けるが、頭をわずかにずらして躱された。
光栄はすくっと立ち上がって、中将の目の前に立ちふさがり、光栄より頭一つ分程低い中将を見下す。
さっきまでの笑みは無い。
ただ無表情に見据える。
「いえ…貰いますよ。あなたの汚れを落としてからね!」
光栄は懐から札をだし、中将の額に張ると一足先に結界から出た。
「何のまねだ!この札は!」
額につけられた札を剥がすより、はやく呪を唱える。
すると、暗い影が中将の周りに現れた。
暗い影は姿を形どる。
目は暗く落ち窪んでいて頭には角をはえ、口は暗い空洞を思わせるが牙が鋭く生えている。
中将に恨みを抱く怨霊達だ。
「ひっひぃぃぃぃ!!」
中将は結界の中で腰を抜かしその場に座り込む。
恐ろしさのあまり、立ち上がれない。
「おやぁ…あなたに恨みを抱くのは都にいる鬼たちだけでは無さそうですね?」
光栄は意地悪くいう。
中将は、急いで這いつくばって結界を抜け出そうとした。
そこをすかさず光栄は中将の頭に軽く蹴りを入れるとコロンと鞠のように中将は一回転して転ぶ。
起き上がったところで鬼が中将の目の前で悲痛な叫びと真暗な空洞な口をあけて中将を喰らおうとしてすり抜け無気味な笑いを耳朶にのこしていく。
「だめですよ、この結界内から出るとたちまち、怨霊にとり殺されてしまいますよ?」
容赦しない光栄の態度と自分の周りにいる鬼たちに中将はビクビクする。
鬼たちの表情と光栄の底意地の悪い表情が重なる。
「じゃあ…ど、どうすればいいのだ?」
もう何もみたくないのか突っ伏して訴える。
「さぁ…あなたの汚れたお心が改まるまで…でしょうか? 心が改まるのが先か、あなたが、狂われ、地位も名誉もなくなるのが先か、愉しみなところですね…ふふふふふ」
「そ、そんなぁ~~~~!」
光栄は倒れたままの氷を抱きかかえ、さっさと部屋をでていく。
氷の意識は少し戻っていた。
(こいつ…北の方より末おそろしぃ…性格してんじゃねーか……?)
と心の中でつぶやいたのだった。
目を閉じ祭壇に向かっていた光栄は瞼を上げ、ゆっくりと体を中将へと向ける。
光栄の表情はにこやかだったが、瞳が笑っていないどことなく恐い…
その表情にビクリと肩を震わした中将は横柄な態度を崩すまいとしたが、声が出てこない。
「京の鬼騒ぎの原因の一端は…中将様だったのですねぇ…」
とぼそりと呟く。
相手には何いってるのか分からない程の音程なので中将はいぶかしむ。
「藤原の大臣の息子で三十路過ぎで正樹どのを殺し位を昇級させた中将どの…を御存じですか?」
を業と光栄は今度は本人を目の前に尋ねる。
「う…む……?」
中将は表情をひきつらせた。
それは自分のことで、皆には他言無用にしてあり、あまつさえ、光栄は播磨に住ん
でおり噂のうの字もきこえないはずなのに…
光栄はただただにっこりと笑って、
「依頼は果たしました。
貴方様の悪行に恨みを抱き、都中を恐怖に陥れ貴方様の命を狙おうとした鬼は祓い終わりました」
とハッキリと今度は言ってやる。
自分の状況を理解するために一旦、間をおいた中将はキッと光栄を睨み立ち上がった。
「鬼を退治したのは、ほめて遣わすが、なんという無礼の数々!この私を誰だと思っているんだ!身分の低く位もない外法陰陽師めが!」
中将は光栄を見下し怒り狂って罵った。
都にいない、そして、位を持たない陰陽師は外法(げほう)とつけられ妖魔や呪術を自分の勝手にあやつり悪さをするという者、金銭を貰い呪を行う者のことをいうこともある。
しかし、京にいられなくなって播磨に来たこの中将とは状況が逆で光栄自身、京に帰れば宮廷の仕事が待っているし、賀茂家の陰陽師の御曹司でもあり位もそこそこ戴くことになる。
光栄は中将に、挑発するように視線に合わせ不適な笑みに変える。
「外法は認めますよ?僕が外法陰陽師なら、あなたは外道貴族というところでしょう?」
イヤミなど認めてしまえば効果はない。直接悪口をいう方がストレートに攻撃になる。
光栄は顎に手を当てて考えるようにわざとらしく
「外法陰陽師は褒美があって依頼を果たす者なんですよね…」
と言う。
そんな光栄のわざとらしい態度に中将は腹を立て
「だれがお前のような者に褒美なぞやるか!」
手にしていた扇を光栄の額目掛けて投げ付けるが、頭をわずかにずらして躱された。
光栄はすくっと立ち上がって、中将の目の前に立ちふさがり、光栄より頭一つ分程低い中将を見下す。
さっきまでの笑みは無い。
ただ無表情に見据える。
「いえ…貰いますよ。あなたの汚れを落としてからね!」
光栄は懐から札をだし、中将の額に張ると一足先に結界から出た。
「何のまねだ!この札は!」
額につけられた札を剥がすより、はやく呪を唱える。
すると、暗い影が中将の周りに現れた。
暗い影は姿を形どる。
目は暗く落ち窪んでいて頭には角をはえ、口は暗い空洞を思わせるが牙が鋭く生えている。
中将に恨みを抱く怨霊達だ。
「ひっひぃぃぃぃ!!」
中将は結界の中で腰を抜かしその場に座り込む。
恐ろしさのあまり、立ち上がれない。
「おやぁ…あなたに恨みを抱くのは都にいる鬼たちだけでは無さそうですね?」
光栄は意地悪くいう。
中将は、急いで這いつくばって結界を抜け出そうとした。
そこをすかさず光栄は中将の頭に軽く蹴りを入れるとコロンと鞠のように中将は一回転して転ぶ。
起き上がったところで鬼が中将の目の前で悲痛な叫びと真暗な空洞な口をあけて中将を喰らおうとしてすり抜け無気味な笑いを耳朶にのこしていく。
「だめですよ、この結界内から出るとたちまち、怨霊にとり殺されてしまいますよ?」
容赦しない光栄の態度と自分の周りにいる鬼たちに中将はビクビクする。
鬼たちの表情と光栄の底意地の悪い表情が重なる。
「じゃあ…ど、どうすればいいのだ?」
もう何もみたくないのか突っ伏して訴える。
「さぁ…あなたの汚れたお心が改まるまで…でしょうか? 心が改まるのが先か、あなたが、狂われ、地位も名誉もなくなるのが先か、愉しみなところですね…ふふふふふ」
「そ、そんなぁ~~~~!」
光栄は倒れたままの氷を抱きかかえ、さっさと部屋をでていく。
氷の意識は少し戻っていた。
(こいつ…北の方より末おそろしぃ…性格してんじゃねーか……?)
と心の中でつぶやいたのだった。
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