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佐井花烏月(さいかうづき)
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一応漫画家?
趣味:
漫画を描く事
自己紹介:
佐井花烏月(さいかうづき)ともうします。
ここのブログでは
イラスト付童話や小説を制作していこうと思ってます。
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2014/06/10 (Tue)
葛葉姫鬼譚
4.月夜丸
晴天だった空は昼を過ぎるころには雲行きが怪しくなってきた。
葛葉と頼光は綱に繋いだ子犬のコーエーをつれて散歩に出た。
「なんだか、雨がふってきそうだぜ」
「雨が振る前に帰れたらいいわね~」
ワンとコーエーも話に加わるように吠えた。
「いい?呪府の匂いを辿るのよ?」
血にぬれた呪府を嗅がせようとするとコーエーは鼻を背ける。
「ちょっと、ちゃんと嗅ぎなさいよ!」
「無理いうなよ、俺だってやだぜ、血のにおいのついたもの嗅ぐなんて」
頼光に諭されてしぶしぶやめることにした。
場合によっては虐めてるようにも思えるからだ。
「それにしてもどうして、いきなり散歩なんか思い付いたんだ?」
「原因を確かめによ」
「呪者じゃなくって?」
「それも見つかるかも知れないじゃない」
いきなりコーエー勢い良く駆け出した。
綱をもっていた葛葉は引っ張られる。
「きゃ!なんなの?」
コーエーがひっぱり連れてきたところは角をまがった、すぐのところで犬の悲鳴と容赦なく犬を棒で叩く現場だった。
「ばか犬がっ!人様に逆らうじゃねえぇ!」
キャンギャン!
もう動けない犬を中年の男が手加減無しで棒で叩き付けていた。
見ているこっちも恐くて痛々しかった。
コーエーはその人間に威嚇するようにしっぽを下げて、うなっている。
「やめろよ!!」
と頼光はその中年の男を止めに入った。
頼光はその中年の男を取り押さえた。
子供など振り切ってまた、乱暴をしようとしても、毎日の剣の稽古をしている頼光からは逃げられなかった。
「弱いものいじめすんじゃないわよ!」
倒れている犬の前を両手を広げ庇い、葛葉も怒鳴った。
子供にとめられて、恥ずかしくなったのか、チッと舌打ちをし、まだ怒りがおさまらないのかがなり声でいう。
「この犬が主人の塀にションベンかけやがったんだ!だからこらしてたんだよ!当然の報いなんだよ!」
「こんなになるまで暴力振るうことないじゃない!!」
「お前らみたいな良い所の子供にこのどうしようもない感情がわかるかってんだよ!」
たぶん、使用人として働いていて、いろんな嫌な事があったり、卑下されている事にも腹をたていたり、みじめな感情をもっていて、それを犬にあたっているのだ。
「分からなくてもいいもの!」
葛葉は睨んで言う。
中年男はフンっと鼻をならし踵をかえし去っていった。
「これは……助からないかもな……」
頼光は暗い顔をして息も絶え絶えの犬を撫でながらいう。
口からは血を流し呼吸が荒い。内臓を何度も蹴られて、骨は折れそれでも生きているのはとてもいたくて苦しそうだった。
「もう少し…早くたすけられたら……」
コーエーは悲しそうに鳴き犬の鼻をなめた。
「惨いことをする……」
怒りを込めた怒りをこめた、ぼそりと呟く声がした方を仰ぐと、十四、五くらいの少年が葛葉たちの後ろに立っていた。
立派な狩衣のまとい、成人しているなら髪を結い烏帽子をかぶるところが、髪をとかざずにボサボサした髪をしていた。けれど、一瞬で人を魅了する美しい顔立ちをしていた。
端正に整えらている顔は眉間に皺よせ、怒っているように見えるし泣いているようにも見えた。
片膝をおり葛葉の横に腰をおろした。
「!?」
突然、葛葉は後ずさった、気配が犬に似ている。
なんなの…この人は……姿形は人なのに……
「これはお前達がやったのか……?」
じろりと睨まれた。
「ち、ちがうわよ!」
「そうだぜ、ここの邸の使用人がやったんだ!」
「………そうか」
といい、倒れている犬を抱き上げると歩き出した。
「その犬どうするつもり?」
肩ごしに振り返り、
「楽にさせてやる……」
楽にさせる。それは死を与えてやるということなのか。
「名前は何ていうんだ?」
と頼光はたずねたが無視をし、角をまがって消えた。
「なんだあいつ!感じのわるい!!」
コーエーはクゥンと泣いた。
「そういえば、このコーエーの存在をあの人は気付いてなかったみたいね……」
でも、酷いし打つをした犬のほうに気を取られていただけかもしれないと思う。
「月夜丸様~~~~!」
と後ろから従者らしき身分の青年が駆けてきた。
「君たち月夜丸さまみなかったか?はずかしげもなく、烏帽子もかぶってない少年を!」
それは、きっとさっき犬を抱えていた少年だろう。
「あの角をまがっていったぜ。」
「はぁ……まったく狂い君の方に仕えるのは骨が折れる」
「狂い君の方?」
たしかに、この時代では烏帽子をかぶらないと死ぬより恥ずかしいことだとされているのに、被らず髪を乱していれば、狂っているように見える。
「どこの方なのですか?」
「恐れ多くも、宮家の方なのですよ…宮家といっても落ちぶれていますけどね……」
「また宮家か……」
ボソっと頼光は呟いた。
「月夜丸さまって、元から狂るってるの?」
自分の発言はどうであれ、失礼な言い方だと思ったらしく、眉をしかめたが、子供のいうことなのでため息をひとつして、呆れたように主人のことを説明する。
「べつに狂っている分けじゃないんだが……生まれが生まれだからね。」
月夜丸の従者はここだけの話だよというように、葛葉たちの耳に口を寄せ、
「じつは犬と宮さまの子供とされているんだよ」
「え?」
「宮はある素性の知れぬ姫と恋に落ちた、だがその姫は消えてしまった……」
数年後ある子供、月夜丸があらわれた。
その子供は姫の衣をまとっていたという……
そのあとのことはハっとして口を噤んでしまった。
あまりそう言うことを口に出していう事ではないからだ
なんだが、父様に似ている…
「犬が殺されそうだといっては出歩かれて…まったく……」
「あのさ~追わなくていいのか?」
「もう、犬を連れて行ってしまったとなれば、行き先はきっと廃寺か、社でしょう」
またくといいながら、心当たりがあるのか主人を探しににまた駆け出していった。
ポツっと雨が降ってきた。
「そろそろかえろうぜ!大雨にならないうちにさ」
「うん」
といい、自分の邸に駆け足で帰宅した。
晴天だった空は昼を過ぎるころには雲行きが怪しくなってきた。
葛葉と頼光は綱に繋いだ子犬のコーエーをつれて散歩に出た。
「なんだか、雨がふってきそうだぜ」
「雨が振る前に帰れたらいいわね~」
ワンとコーエーも話に加わるように吠えた。
「いい?呪府の匂いを辿るのよ?」
血にぬれた呪府を嗅がせようとするとコーエーは鼻を背ける。
「ちょっと、ちゃんと嗅ぎなさいよ!」
「無理いうなよ、俺だってやだぜ、血のにおいのついたもの嗅ぐなんて」
頼光に諭されてしぶしぶやめることにした。
場合によっては虐めてるようにも思えるからだ。
「それにしてもどうして、いきなり散歩なんか思い付いたんだ?」
「原因を確かめによ」
「呪者じゃなくって?」
「それも見つかるかも知れないじゃない」
いきなりコーエー勢い良く駆け出した。
綱をもっていた葛葉は引っ張られる。
「きゃ!なんなの?」
コーエーがひっぱり連れてきたところは角をまがった、すぐのところで犬の悲鳴と容赦なく犬を棒で叩く現場だった。
「ばか犬がっ!人様に逆らうじゃねえぇ!」
キャンギャン!
もう動けない犬を中年の男が手加減無しで棒で叩き付けていた。
見ているこっちも恐くて痛々しかった。
コーエーはその人間に威嚇するようにしっぽを下げて、うなっている。
「やめろよ!!」
と頼光はその中年の男を止めに入った。
頼光はその中年の男を取り押さえた。
子供など振り切ってまた、乱暴をしようとしても、毎日の剣の稽古をしている頼光からは逃げられなかった。
「弱いものいじめすんじゃないわよ!」
倒れている犬の前を両手を広げ庇い、葛葉も怒鳴った。
子供にとめられて、恥ずかしくなったのか、チッと舌打ちをし、まだ怒りがおさまらないのかがなり声でいう。
「この犬が主人の塀にションベンかけやがったんだ!だからこらしてたんだよ!当然の報いなんだよ!」
「こんなになるまで暴力振るうことないじゃない!!」
「お前らみたいな良い所の子供にこのどうしようもない感情がわかるかってんだよ!」
たぶん、使用人として働いていて、いろんな嫌な事があったり、卑下されている事にも腹をたていたり、みじめな感情をもっていて、それを犬にあたっているのだ。
「分からなくてもいいもの!」
葛葉は睨んで言う。
中年男はフンっと鼻をならし踵をかえし去っていった。
「これは……助からないかもな……」
頼光は暗い顔をして息も絶え絶えの犬を撫でながらいう。
口からは血を流し呼吸が荒い。内臓を何度も蹴られて、骨は折れそれでも生きているのはとてもいたくて苦しそうだった。
「もう少し…早くたすけられたら……」
コーエーは悲しそうに鳴き犬の鼻をなめた。
「惨いことをする……」
怒りを込めた怒りをこめた、ぼそりと呟く声がした方を仰ぐと、十四、五くらいの少年が葛葉たちの後ろに立っていた。
立派な狩衣のまとい、成人しているなら髪を結い烏帽子をかぶるところが、髪をとかざずにボサボサした髪をしていた。けれど、一瞬で人を魅了する美しい顔立ちをしていた。
端正に整えらている顔は眉間に皺よせ、怒っているように見えるし泣いているようにも見えた。
片膝をおり葛葉の横に腰をおろした。
「!?」
突然、葛葉は後ずさった、気配が犬に似ている。
なんなの…この人は……姿形は人なのに……
「これはお前達がやったのか……?」
じろりと睨まれた。
「ち、ちがうわよ!」
「そうだぜ、ここの邸の使用人がやったんだ!」
「………そうか」
といい、倒れている犬を抱き上げると歩き出した。
「その犬どうするつもり?」
肩ごしに振り返り、
「楽にさせてやる……」
楽にさせる。それは死を与えてやるということなのか。
「名前は何ていうんだ?」
と頼光はたずねたが無視をし、角をまがって消えた。
「なんだあいつ!感じのわるい!!」
コーエーはクゥンと泣いた。
「そういえば、このコーエーの存在をあの人は気付いてなかったみたいね……」
でも、酷いし打つをした犬のほうに気を取られていただけかもしれないと思う。
「月夜丸様~~~~!」
と後ろから従者らしき身分の青年が駆けてきた。
「君たち月夜丸さまみなかったか?はずかしげもなく、烏帽子もかぶってない少年を!」
それは、きっとさっき犬を抱えていた少年だろう。
「あの角をまがっていったぜ。」
「はぁ……まったく狂い君の方に仕えるのは骨が折れる」
「狂い君の方?」
たしかに、この時代では烏帽子をかぶらないと死ぬより恥ずかしいことだとされているのに、被らず髪を乱していれば、狂っているように見える。
「どこの方なのですか?」
「恐れ多くも、宮家の方なのですよ…宮家といっても落ちぶれていますけどね……」
「また宮家か……」
ボソっと頼光は呟いた。
「月夜丸さまって、元から狂るってるの?」
自分の発言はどうであれ、失礼な言い方だと思ったらしく、眉をしかめたが、子供のいうことなのでため息をひとつして、呆れたように主人のことを説明する。
「べつに狂っている分けじゃないんだが……生まれが生まれだからね。」
月夜丸の従者はここだけの話だよというように、葛葉たちの耳に口を寄せ、
「じつは犬と宮さまの子供とされているんだよ」
「え?」
「宮はある素性の知れぬ姫と恋に落ちた、だがその姫は消えてしまった……」
数年後ある子供、月夜丸があらわれた。
その子供は姫の衣をまとっていたという……
そのあとのことはハっとして口を噤んでしまった。
あまりそう言うことを口に出していう事ではないからだ
なんだが、父様に似ている…
「犬が殺されそうだといっては出歩かれて…まったく……」
「あのさ~追わなくていいのか?」
「もう、犬を連れて行ってしまったとなれば、行き先はきっと廃寺か、社でしょう」
またくといいながら、心当たりがあるのか主人を探しににまた駆け出していった。
ポツっと雨が降ってきた。
「そろそろかえろうぜ!大雨にならないうちにさ」
「うん」
といい、自分の邸に駆け足で帰宅した。
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