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佐井花烏月(さいかうづき)
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職業:
一応漫画家?
趣味:
漫画を描く事
自己紹介:
佐井花烏月(さいかうづき)ともうします。
ここのブログでは
イラスト付童話や小説を制作していこうと思ってます。
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2014/11/12 (Wed)
葛葉姫鬼譚
「片割れは今何をしているのだろうな?見てみるかの?」
珠藻は妖力を手元に集めると大きな鏡を具現化させて、業と秋月に葛葉の姿を見せる。
それはいつもの事、自分の境遇と比べさせるようにいつも葛葉の様子、家族とのやり取りを見せらてきた。
鏡に映る葛葉は両親に見守られて眠っていた。
葛葉に注ぐ眼差しは柔らかで慈しんでいる。
優しく頭を何度も撫でられる。
その手が気持ちよさそうに葛葉はさらに幸せの眠りに落ちる。
秋月はその様子を見るたび、羨ましく思い、怒りを身の内に溜める。
自分には向けてもらったことのない眼差し、優しく髪を撫でる手、胸がズキンとする。
憎いから痛いと思っていたが、それは嫉妬の痛み。
自分が欲しいモノを葛葉は持っている。
とても悔しくて憎い……
その心を育てるのが珠藻の狙い。
「!」
秋月は鏡に映る家族の中に、いつもと違う物を見つける。
葛葉の隣にいる父の手には黒い紐が握られていた。
それは、多少なりとも呪が残っていて握っているだけでも辛いはずなのになぜ持っているのだろうと疑問に思った。
そのことは珠藻は気付いていないようだ。
なので言わない。
余計なことは言わないほうがいい……
秋月は捨てられたと言われ育てられながら、こうした場面を見せられ続けそだってきた。
だが、憎しみや嫉妬を『焼きもち』という感情ということを光栄に諭された。
『焼きもち』は憎しみや恨みより軽い言霊だが、その通りなのかもしれない…
そしてさらに、光栄は晴明が自分を捨てていないと、ずっとさがし続けていたと言った。
父が握っている紐は僕自身…それをギュッと握られているのは自分を忘れていない証拠ではないだろうか…
それが本当なら……僕は……
そう、思いいたっても、確信できなくて胸が焼ける程苦しくなる。
『焼きもち』とは違う『焦れ』るという苦しみだと言う事を秋月は知らなかった。
秋月はその苦しみをまた葛葉への怒りに変えることにした。
その方が楽だから誰かの所為することの方が……
秋月はの親への想いは月夜丸のと本当に同じなのだ。
だから呪が混じりあって操ることができた。
その操りのヒモは切れてしまったが……
自分に見えないあの紐と同じものが断ち切れる日が来るだろうか……
秋月はただじっと、鏡に映る家族の姿を見つめていた。
18・つながる、想い
日の下の国では光り輝く最高神アマテラスが神々しい朝日を大地に輝かせるが、その分影の国では闇が増していた。
光りあるところ影がある。
それは、陰陽は世界の成り立ち。
影の世界に出来た異国風の宮殿に秋月は膝を付き礼をとっていた。
秋月が礼をとっているのは九本の大きな尻尾をもち、耳は狐の人。
強大な力を持つ妖狐だ。
彼女は、美しく艶のあり凛とした女王とした感じがにじみ出ていて、服装は唐の肩口を露出し、その美しい肩に天女の衣をふわりと羽織っている。
狐の特徴さえなければ、仙女か女神だった。
大陸から来て、秋月をさらった者……
それは、九尾の狐である。
大陸にいた時は妲己と言う名であった。
今は珠藻という。
日の下の国に密かに闇下の国を創り王として君臨している。
「秋月……陽の世界は如何であったか?」
「……つまらぬところでした」
秋月は無表情で呟くように伝えた。
玉藻は豪勢な玉座に寄りかかるように座り、秋月の本心を見透かそうとするように金に輝く瞳を細める。
「つまらぬところ、か…
だが、その世界はいずれは我れらがものになる世界だ。
お前の新月の力を使ってなぁ」
くくくっとその時のことを夢見、笑う。
「ところで、もう一人のお前にあったか?」
もう一人のお前とは葛葉のことだ。
「はい……」
ただ機械的に答えるように努めたが、首尾よく葛葉をこの手で仕留められなかった事を思えば、感情が一言に滲みだす。
秋月の感情を感じ取って、玉藻は眉根を寄せた。
珠藻は手を前突き出し、手招きを一回すると秋月の体は宙に浮き、珠藻の傍らに引き寄せられた。
「片割れは殺したのか?」
「……邪魔が入って始末できませんでした……それに僕の名を知るものがいた…」
「ほう…お前の名を知る者がいたか」
珠藻は秋月の頭を胸元に抱き頭を撫でる。
それは、はた目から見れば慈しむように見えるだろうが、実際は吟味しているような感じだ。
秋月の目を見つめる玉藻の瞳は爛々と輝き、『喰らわれる』という危機感は慣れなかった。
「その人間は力を持っていようなぁ……うまそうな……」
「捕らえてきましょうか?」
と言ってみる。
自分の呪を解き、どことなく嫌な感じのする光栄と言う人間。
葛葉以外にはあまり興味を持たなかったが、厄介な人間だ。
いつか、この玉藻に献上してしまおうと本気で思う。
この狐は人が好物だ。とくに成人した大人の男。
秋月に流れる人の気が食欲をそそそるらしいが、新月の力と狐の力を持っているので食らうことはしないだけ。
「ぜひ、そうしてほしいのぉ……お前の呪を解く程の人間だからのさぞ素晴らしい味のする人間に違いない」
珠藻は秋月がしてきたことを知っていて聞いていたのだ。
だから、呪を解かれたということは自分にとっても恥じなので口に出さないでほしいことだった。
光りあるところ影がある。
それは、陰陽は世界の成り立ち。
影の世界に出来た異国風の宮殿に秋月は膝を付き礼をとっていた。
秋月が礼をとっているのは九本の大きな尻尾をもち、耳は狐の人。
強大な力を持つ妖狐だ。
彼女は、美しく艶のあり凛とした女王とした感じがにじみ出ていて、服装は唐の肩口を露出し、その美しい肩に天女の衣をふわりと羽織っている。
狐の特徴さえなければ、仙女か女神だった。
大陸から来て、秋月をさらった者……
それは、九尾の狐である。
大陸にいた時は妲己と言う名であった。
今は珠藻という。
日の下の国に密かに闇下の国を創り王として君臨している。
「秋月……陽の世界は如何であったか?」
「……つまらぬところでした」
秋月は無表情で呟くように伝えた。
玉藻は豪勢な玉座に寄りかかるように座り、秋月の本心を見透かそうとするように金に輝く瞳を細める。
「つまらぬところ、か…
だが、その世界はいずれは我れらがものになる世界だ。
お前の新月の力を使ってなぁ」
くくくっとその時のことを夢見、笑う。
「ところで、もう一人のお前にあったか?」
もう一人のお前とは葛葉のことだ。
「はい……」
ただ機械的に答えるように努めたが、首尾よく葛葉をこの手で仕留められなかった事を思えば、感情が一言に滲みだす。
秋月の感情を感じ取って、玉藻は眉根を寄せた。
珠藻は手を前突き出し、手招きを一回すると秋月の体は宙に浮き、珠藻の傍らに引き寄せられた。
「片割れは殺したのか?」
「……邪魔が入って始末できませんでした……それに僕の名を知るものがいた…」
「ほう…お前の名を知る者がいたか」
珠藻は秋月の頭を胸元に抱き頭を撫でる。
それは、はた目から見れば慈しむように見えるだろうが、実際は吟味しているような感じだ。
秋月の目を見つめる玉藻の瞳は爛々と輝き、『喰らわれる』という危機感は慣れなかった。
「その人間は力を持っていようなぁ……うまそうな……」
「捕らえてきましょうか?」
と言ってみる。
自分の呪を解き、どことなく嫌な感じのする光栄と言う人間。
葛葉以外にはあまり興味を持たなかったが、厄介な人間だ。
いつか、この玉藻に献上してしまおうと本気で思う。
この狐は人が好物だ。とくに成人した大人の男。
秋月に流れる人の気が食欲をそそそるらしいが、新月の力と狐の力を持っているので食らうことはしないだけ。
「ぜひ、そうしてほしいのぉ……お前の呪を解く程の人間だからのさぞ素晴らしい味のする人間に違いない」
珠藻は秋月がしてきたことを知っていて聞いていたのだ。
だから、呪を解かれたということは自分にとっても恥じなので口に出さないでほしいことだった。
「片割れは今何をしているのだろうな?見てみるかの?」
珠藻は妖力を手元に集めると大きな鏡を具現化させて、業と秋月に葛葉の姿を見せる。
それはいつもの事、自分の境遇と比べさせるようにいつも葛葉の様子、家族とのやり取りを見せらてきた。
鏡に映る葛葉は両親に見守られて眠っていた。
葛葉に注ぐ眼差しは柔らかで慈しんでいる。
優しく頭を何度も撫でられる。
その手が気持ちよさそうに葛葉はさらに幸せの眠りに落ちる。
秋月はその様子を見るたび、羨ましく思い、怒りを身の内に溜める。
自分には向けてもらったことのない眼差し、優しく髪を撫でる手、胸がズキンとする。
憎いから痛いと思っていたが、それは嫉妬の痛み。
自分が欲しいモノを葛葉は持っている。
とても悔しくて憎い……
その心を育てるのが珠藻の狙い。
「!」
秋月は鏡に映る家族の中に、いつもと違う物を見つける。
葛葉の隣にいる父の手には黒い紐が握られていた。
それは、多少なりとも呪が残っていて握っているだけでも辛いはずなのになぜ持っているのだろうと疑問に思った。
そのことは珠藻は気付いていないようだ。
なので言わない。
余計なことは言わないほうがいい……
秋月は捨てられたと言われ育てられながら、こうした場面を見せられ続けそだってきた。
だが、憎しみや嫉妬を『焼きもち』という感情ということを光栄に諭された。
『焼きもち』は憎しみや恨みより軽い言霊だが、その通りなのかもしれない…
そしてさらに、光栄は晴明が自分を捨てていないと、ずっとさがし続けていたと言った。
父が握っている紐は僕自身…それをギュッと握られているのは自分を忘れていない証拠ではないだろうか…
それが本当なら……僕は……
そう、思いいたっても、確信できなくて胸が焼ける程苦しくなる。
『焼きもち』とは違う『焦れ』るという苦しみだと言う事を秋月は知らなかった。
秋月はその苦しみをまた葛葉への怒りに変えることにした。
その方が楽だから誰かの所為することの方が……
秋月はの親への想いは月夜丸のと本当に同じなのだ。
だから呪が混じりあって操ることができた。
その操りのヒモは切れてしまったが……
自分に見えないあの紐と同じものが断ち切れる日が来るだろうか……
秋月はただじっと、鏡に映る家族の姿を見つめていた。
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