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童話、イラスト、物語だけを語ります。 個人的なことは書きません。 純粋に物語だけのブログです。
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佐井花烏月(さいかうづき)
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2009/06/12 (Fri)

……人形には魂が宿る……

宿った魂は遂げられなかった思いをとげなければ天へ昇れない

そんな魂の集まる場所は数多く人形師がいるけれど、特別な人形師にしかかなえられない

大海氏という古来から人形に魂を込めて操る一族しか魂の思いを叶えることができないといわれていた…


「どうして泣いているの?」

暗い部屋の中、明かりを照らすのは丸い格子の中心の位置にちょうど収まった明月だけ。
そしてその部屋の中には幾つもの人形が並べられていた。

十歳くらいの髪を片口で切りそろえられた一見少女にも見える男の子冥月は、菊の刺しゅうを施した振袖を着て

繊細できれいな顔をした死した魂の生前の面影をした人形を見つめ問う。

その人形からは涙がぽろぽろとこぼれている。

特にそういうからくりが仕込まれている人形ではない。
人形に宿った魂が泣いているのだ。

その人形を慰めるように頭をなでながら

「あなたの心残りは何?」

時は江戸という町が東京という名に変わって間もない時代
外国文化が日本に入って街を変えていった頃の話。
 

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* ILLUSTRATION BY nyao *