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童話、イラスト、物語だけを語ります。 個人的なことは書きません。 純粋に物語だけのブログです。
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佐井花烏月(さいかうづき)
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佐井花烏月(さいかうづき)ともうします。

ここのブログでは
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2024/03/29 (Fri)
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2012/05/24 (Thu)
 
その大陸には竜がいた。
 
 
人の何倍も大きな蜥蜴のような姿の巨体。

 
輝く固いく鱗を持ってあらゆる攻撃から身を守り、鋭い爪と牙はあらゆるモノを切り裂く。
 
しかも人より長く生き、知識を持っていた。
 
そして稀に人の前現れに災害を知らせる。
 
優しき幻の神獣であった。
 
 人々にとって、恐れ敬う神のごとき存在でもあり、東の大陸では、神として守護神として、その存在に畏怖と敬意を持っていた。
 
けれど

その竜は西からやって来た勇者に滅ぼされてしまった。

 東の大陸に神は消え人が支配する
 

竜の信仰がなくなった闇の時代になってしまった。
 
感謝、敬意、尊敬、信頼、繋がりが消えかけていた…
 

竜が治めていた美しき世界をこんな世にした
 

「あの勇者だけは
 
 許さない…
 
 我らが女王を奪い
 
竜族を滅ぼした人間だけは…」
 
輝く長い赤い髪を怒りにわなめかせ、竜の証の金色の瞳を怒りにきらめかす
人の姿をした竜のミシェルはそう誓いをたて
勇者のいるだろう西の大陸に旅立った。



 この世は強いものが支配する世界。

 竜がいなくなったこの大陸でも同じこと、金持ちが力を奮う。
 
力強いものが人々を従わせる
 
それは、たいてい恐怖や脅し、力弱きものは力強気ものに従うのが習いだが…
 

酒樽が宙をとび地に落ち酒が床に飛び散った。
 

「こんなまずい酒に金をはらえるかっバカヤロウがっ!!」
 

スキンヘッドでごつい体つき

左目には眼帯を付けた中年が酒場の女将に怒鳴り付ける。
 

その女将を守るように十歳くらいの男の子が両手を広げキッと男を睨む。
 
「乱暴は止めてよ!悪いことばかりしてると竜にたべられちゃうんだからねっ」
真剣に男の子にナラズモノの男は業とキョトンとした顔をして、馬鹿にしたよいにガサツな笑い声を上げる。
 
「竜なんか、もうこの世に存在しないんだよ。なにせ俺の親父が竜をほろぼしたのだからなぁ」

「それは…本当か?」

そう呟いたように聞いてきたのは、

ルビーのように輝く長髪の青年だ。

俯いているせいで髪が顔を半分覆っているが、ちらりと覗く瞳は憎しみがこもる金色だ。

つづく


☆気まぐれ更新なので続きが気になったらカテゴリーから読んでもらえるとうれしいです」

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