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童話、イラスト、物語だけを語ります。 個人的なことは書きません。 純粋に物語だけのブログです。
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佐井花烏月(さいかうづき)
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一応漫画家?
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漫画を描く事
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佐井花烏月(さいかうづき)ともうします。

ここのブログでは
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2011/06/12 (Sun)
 「……ってなんで、女装しなくちゃいけないんですか?」

僕はヒカルさんに女装をさせられしまった。

自分でも誰だろうと思うほどに可愛く頭の左右にポニーテールをし(カツラ)、ピンクと黒と赤の色がおしゃれに配色されたゴスロリ系のメイド服(スカートが膝までで短くレースがひらひらついている)を着た女の子に仕立てられてしまっている。


「そのほうが、すずさんに会いやすいだろ?」

ヒカルさんは悪戯っぽい笑みで僕に微笑む。

「むしろ、会いづらいですよっ!」
「インパクトで許してもらおう作戦だ」

自分の作戦を曲げたくないヒカルさんはと題名までつけ宣言した。
「ばれたらすずさんのゲンコツが容赦なくディープインパクトしますよ!」
許してもらうどころか身の破滅だ。
その事に怯える僕を光さんはじろりと冷ややかな目でみる

「お前わがままなんだよ、直接会いたくない、でも会いたい、勇気のないお前に、変身という魔法をかけてやったんだぞ、ありがたく思え」
「うっ…」

僕は図星をつかれて言葉に詰まった。
ほんとに、僕は勇気が無い、わがまま者だ。

人に手助けしてもらわなければ、すずさんと仲を取り持てないと思ってるんだから…
でも、女装は勇気の魔法だろうか?

「おーいヒカル!ちょっときてくれー」

真一郎さんがヒカルさんを呼んだ。

「マスターがお呼びだ、ちょっと行ってくる」

ヒカルさんは素早く更衣室を出て、真一郎さんの元へ向かった。
こっそり、その様子を見てみると、真一郎さんはすずさんとの席から離れてカウンターのところで話をしている。
その話が終わると、ヒカルさんは更衣室に戻ってきた。

「マスターからの命令で用事が出来たから、帰る。じゃあな」

さっさっと貴重品をまとめると、そのまますぐ帰ろうとした。

「え!!キューピットになってくれるんじゃ……」
「キューピットは大天使さまの命令が一番なんだよ。それに……」
 
キュッと僕の鼻をつまんで、怪訝な顔をし、僕を睨んだ。

「おまえ、藍ちゃんと蓮くんおいてここまで来たんだって?
しっかりしたお子様とは言え、危ないだろうが!
今日は俺が二人の面倒見る事になったからお前の面倒はやっぱ、大天使さまにみてもらったほうがいいってことになったんだ」
「あっ…」

そうだった。
僕も双子が心配で早く帰ろうとしていたのに、すずさんが気になって今に至る。

「まぁ…俺は、愛しの藍ちゃんに会えるチャンス貰えたからお前に感謝するけどっ」

怪訝の顔を消して、今度はニマニマ笑いになっている。
まさか、ヒカルさんが好きなのは……

「ロリコン…」

藍ちゃんの名前を出すより先に思った事が口に出た。
ボコッとヒカルさんの拳が僕の頭にディープインパクトした。

「ま、とにかくマスターに任せておけば大丈夫だって」
真一郎さんはもとから僕に強力するって言ったけど……僕は複雑だった。
真のライバルは真一郎さんだ。

「心配すんなって、女装してるんだし、ちょっとやそっとじゃバレないだろう。うまくやれよっ」

と僕のお尻を叩いて、じゃあなと言い出ていってしまった。



厨房はバーカウンタの中にあって、二人の様子が良く分かった。
営業時間はまだなので、中には僕と真一郎さんとすずさん3人だけだった。
すずさんと、真一郎さんの会話が聞こえる。
真一郎さんは僕に気付くと、ウインクをした。

すずさんは、ぐぐっと両手を組んで背伸びをして下ろしてから、

「あ~あ~なんかお腹すいちゃった。どっかに食べにいかない?真一郎 
さん」
「ここで食べればいいよ。」
「え~?でも言っちゃナンだけど、ここのご飯まずいし…」
「大丈夫大丈夫、とっても腕の良い調理人やとったんだ」
「へ~じゃあ、食べてみたい。でも食欲あんまりないから軽いものがいいな~」
「カイコちゃん、サンドイッチでも作ってくれ」
「あ、はい!」

カイコちゃんというのは昨日、付けられた僕のオカマバーでの名前だ。

「カイコちゃん?」
「うん。まだ未成年だから、表には出さないんだけどね。とっても可愛い子なんだよ。」
「ふ~ん…、なんか…聞き覚えのある声だったわ…?」

僕はギクッとした。声を作るのを忘れてしまった。
ドキドキしながら作業にとり掛かる。
材料は揃っていたので、直ぐに出きるだろう。
その間に二人の話が聞こえてくる。

「藍ちゃんと蓮君もうすぐ誕生日よね?」


「ああ。クリスマスの日だよ。誕生日会するから、ぜひ来てくれよ。同棲している男の子…名前なんていったけ?」
わざと、真一郎さんは上手く僕の話題に持っていった。
「同棲じゃなくって同居!」
すかさず、すずさんは訂正をいれた。

「……それにカイト…帰ってくるかどうか……分からないし……」
すずさんの声は低く小さかった。
一昨日のことを思い出したのだろうか?

「どうして?」
真一郎さんは悩みでも愚痴でも何でも聞いてくれそうな寛大な優しさを醸し出す声で理由を聞く。
この優しい感じは生まれ持ってのモノだろうと僕は思う。
だから、僕は真一郎さんを信頼してすべてを話してしまった。
すずさんも心に溜まったことを聞いて欲しくて理由を言ってしまうかもしれない。

 すずさんは、なんと言おうか迷ってるのか、それとも言わないつもりなのか、黙ったままだった。

「もしかして、襲われたとか?」
真一郎さんは核心的なところをついた。
「……」
「顔赤いってことは、そうなんだね」
しばらく沈黙があったけど、すずさんの様子を僕に伝えるため、真一郎さんが解説する。

「でもっ!何もされてないわ。あの子のこと引っ叩いて止めさせたから…」
何もされてないと言っておいて、止めさせたと言うのは、かなり動揺してるんだろうと思った。
 

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