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童話、イラスト、物語だけを語ります。 個人的なことは書きません。 純粋に物語だけのブログです。
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佐井花烏月(さいかうづき)
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女性
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一応漫画家?
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漫画を描く事
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佐井花烏月(さいかうづき)ともうします。

ここのブログでは
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2013/05/07 (Tue)

「カイト君。男らしくなったねーこれで、すずさんより年下に見えないよ」

 慎一郎さんは渾身の作品を作り上げたかのように、額の汗を腕で拭く。

「あの・・・年齢とか男らしくなったというよりか、この格好ってデートにふさわしくないような・・・」

 慎一郎さんに、すべて任せてコーデネートしてもらったのはいいけれど、いつもと僕とは全く違った雰囲気できっとすずさんがみたらひどく驚く姿だ。

「どちらかというと、危ない路地裏で喧嘩売る人のような格好なんですけど・・・」

 人畜無害のいつもの自分とは正反対の人畜悪害の不良少年になった。

 唇には、チェーンをつけて、目張りをアイライナーで紫さんに描かれて、きりりと男らしさアップしてる。
 髪型も、ワックスで流れをオールバック風のウェーブがかかっている。
 元々茶っぽい髪が外人風にみえる。
 服装も黒を基調にしているが、所々喧嘩の後のあとのような切れ目があってその切れ目から赤い下地が見える。
ただの赤じゃなくて刺繍でドクロが見え隠れする。
 肩が見える蜘蛛の絵のはいったアンダーに黒の光沢のある小さなベルトが不揃いについて、口元のチェーンと同じシルバーのベルトの金具がさりげなく、バランスをとっている。
 どこかのゲームのコスプレにも見えないことはないが、ある筋のブランドで今はやっているものを買ってきたとのことだ。

「さすがに、俺は着れないけれど、カイト君が似合ってくれてうれしいよ」

 慎一郎さんがこんな格好したら、どこの筋の人だとおもわれるだろう。
 いや、実際はホストクラブのオーナーをしているんだけれど・・・二児の父にはさすがに無理だ。

「この格好で遊園地いっても大丈夫でしょうか・・・?」

「大丈夫、今日はコスプレ大会もあるから誰も気にしないっしょ」
「け、計算ずくだったんですね」

「もちろん。だからすずちゃんも気がねなく楽しめると思うよ」
 にやりと、いたずらっ子の笑顔で慎一郎さんは笑った。

「ちょっと、この服どうなのよ・・・・・・」

 私はヒカルに言われるまま用意してくれた服を着て鏡を見てげんなりした。

「どうって、今はやりのアイドル風の服だよ」
「服は服でも制服でしょ!!これ!」

 更衣室のカーテンを勢いよく押し退けてヒカルの服の襟をつかみあげた。

「よくにあってんじゃーん。童顔でよかったな」
「あんたには言われたくないわよ」

 ヒカルはヘラヘラして悪気はない。
 むしろいたずら成功して喜んでいる。
「わたし二十三なのになんでこんなセーラー服っぽいの着なきゃらないの?」
「そんなこといったら、今をときめくアイドルに失礼だろ。」
「中高生に失礼だわよ!」
「大丈夫だって、ぎりぎり高校生っぽいというか。カイトとお似合いだろ?」
「う・・・そう?」

 改めて無意識に鏡の方をみて自分の姿を確認する。
 最初に髪型をヒカルにアレンジされて脇の髪を三つ編みにして後頭部で合わせて、リボンで縛られているから、なんだか幼いようにも見える。
 それに制服といっても本当の高校せいっぽいものではない派手な制服。
 改めて観察すると高校生にもみられなくないかなと思う。

「にやけてるぞ。まあ俺の手に掛かればこんな感じかな?」
「ほんとにカイトにつり合うかな・・・・・・」

 カイトの姉にみられないかな・・・
 ヒカルの存在も忘れて、スカートの裾を引っ張ってポーズをきめてみたりしていたら

「わーすずさんかわいいー・・・」

 鏡に映る私の背後に柄の悪い男が現れて、反射的に振り返ってその男の体を床にくみ伏せた。

「いててて!放して!すずさん!」
「ってカイト!?」

 驚いた・・・
 あのボサっとした少年がちょっと服装が替わっただけで、雰囲気がかわるなんて・・・・・・

 カイトは背が最近伸びて私の背を越したから、なんか見下ろされている感じが異性を感じさることがある。

「どうかな。僕の格好。かっこいい?」
「うん。不良ね。」
「だよね・・・」
「うん。」

 多分、大人の雰囲気には限界があるんだろうけれど、その格好デートって微妙だと私は思う。

 似合わなくない。でも、確実に・・・
 釣り合いバランスがある意味違う!
 
 てっきり学生同士の初々しいデートを演出してくれるん だろうとは想像していたが、二人の企みは斜め上を行っていた。
 完璧二人に遊ばれた感じだなと思う・・・
 初デートの楽しみより不安の方がある意味増した。

 慎一郎さんは僕たちを並べて微笑む。

「なんかある意味ギャップのある恋人だよね」
「年齢以前の問題になってよかったな」

 自分たちがそうセレクトして実際の僕たちをみると感慨深いものがあるのか、芸術を完成させた画家のようだ。

「こ、これで、デートいけるかなぁ」

 僕は心配になるすずさんの顔が少し険しい。
 きっと、この二人に頼んだのが間違えだったと思っているに違いない。

「いけるいける!そのままホテルまでいっち・・・」

 すずさんではなく、紫さんがヒカルさんの下品な口をふさぐ。

「すずちゃんなんだか高校生の時のすずちゃんを思い出すよ。懐かしいね。」

 そういわれて見つめられて、すずさんはなぜだか照れる、仏頂面だったのがなんだか、乙女のように頬を赤らめ照れる。

「あのころすずちゃん恋一切してなかったよね」
「え・・・う。うん」

 すずさんは戸惑う。
 ヒカルさんの情報からだと、すずさんは慎一郎さんに初 恋していたとか言っていたような。
 もしかして、そのときの気持ちを思いだしちゃったとか・・・・・・
 慎一郎さんはすずさんの頭をそっと撫でて

「学生気分に戻って、恋を楽しんでおいで・・・ね?

「うん・・・そうします・・・」

 素直にすずさんはうなづいた。
 優しい仕草と声で、すずさんを優しく見つめ、すずさんも高校生くらいの気持ちに戻っているのだろうか、慎一郎さんを見つめる目があやしい・・・・・・

「おい、カイトおまえ、様になってるぞ・・・」
「え・・・」
 ヒカルさんに言われて我に返る。
 いつの間にか二人のやりとりに嫉妬のオーラを出していたらしい。
 しかも、こんな格好だから「様」になっているという事だ。

「すずは、大人の雰囲気に弱いところがあるから、年上気分でエスコートしてやれよ。」

 ヒカルさんはフザケることが多いけれど、悪い人じゃない僕たちのことを見守って助けてくれる。慎一郎さんも
そうだ。
 二人のサポートを無駄にしないためにも、今日はすずさんと楽しい初デートをがんばろう!

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